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英国・生命科学研究者の憂鬱

イギリスのラボのワークタイム。

イギリスのラボのワークタイムですが、だいたい10時-6時くらいでしょうか。
早い人は8時ジャストくらいから、遅い人は昼前に入って仕事を始めます。

8時ー5時くらいに集中して働く人と、
11時ー8時くらいでだらだら働く人に分かれるわけですが、
5時を過ぎる辺りから、アジア人密度が高くなっていき、
6時くらいにはイギリス人はほぼ全員帰ってしまいます。

特にイギリス人の仕事に対する集中力はすごくて、
ほとんどごはんを食べる時間も取らず、6時まで集中して仕事をするのは
すごいなあと思うこの頃です。
その分、家族と過ごしたり充実したオフを過ごしているのでしょうね。

最近、brummieは家で映画のDVDを見ながら英語の勉強をすることが多いので
8時くらいに帰ることがままありますが、
基本的にオフィスでだらだらしながら考えたことが
その後の実験に役に立つことが多いので、仕事が終わってもラボノート書いたり
論文を読んだりしてだらだらすることが多いです。

論文にはまってしまうと、12時とかまで全然ラボにいてしまえるのですが
歴代フラットメイトに言わせるとそれはcrazyみたいですね。
合間に適度にネットしたりとかして息抜いてますし(←こら!)、
別にワーカホリックっていうわけでもないんですけど。

イギリス人の効率の良い仕事の仕方を見習わなくちゃいけないかもですね。
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# by brummie | 2008-02-22 00:51 | ラボ生活

欧米人はディスカッションが好きって本当なの?

日本のラボにいる時に、

「欧米人とセミナーする時にはみんなたくさん発言するので
ディスカッションが盛り上がる。」

と言われていましたが、イギリスに来てからセミナーで一番しゃべってるの
自分なんじゃないのかと思っているDukeです。どうも。
(ボスぬかしたら、ですが)


確かに欧米人は日本人に比べて恥ずかしがることはないですけど
うちのラボはセミナー静かですよ。
前にpractical courseに行った時はすごい質問があったクラスもありますけど
まあ、ラボやグループに寄りけりじゃないですかね。

なんかすっごい厳しい質問とかもあんまり来ませんね。
そういう意味で今の職場は刺激がないです。

まあ、自分でできる仕事は日本に比べてしやすいですけど。
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# by brummie | 2008-02-21 03:51 | ラボ生活

博士論文の厚さ。

博士論文の厚さについて書きます。
イギリスの大学院のdissertationの厚さは、
日本での博士論文よりも大分厚いことが知られています。

e0135769_2443858.jpg


写真に載せてあるのは、例として二人の博士論文をお借りしました。
普通、dissertationは片側プリントでダブルスペースで印刷されるので
内容よりも厚く見えるのは確かです。

内容に関しては、とにかくIntroductionが多い。
レビューを何本書くんだろうかというくらい盛りだくさんです。

たとえば、プロスタグランジン(PG)に関して研究しているPhD studentの場合、
自分はPGEしか研究していないのに、PGがどのようにして同定されたのか
種によってどの程度保存されているかに始まり、それぞれの研究の進展について
事細かに描写します。

AppendixとかReferenceも多い!
一つ一つの試薬の作り方まで詳細に記入してあります。
一人は400も参考文献を引いていました。読み過ぎちゃうか?
データ自体は日本と量が変わりませんが、
できるだけネガティブデータを載せようとしているのか、
全然脈略のない実験をいきなりしていきなり触れなくなったりして
不思議な展開を見せていた章もありました。


e0135769_2563775.jpg


日本の博士論文と比べてみましょう。
右側のうっすい本がbrummieの博士論文です。
うちの研究科は自己製本して出す方式でしたが、
諸先輩方を見ていると50ページくらいが平均でした。

出身ラボでは、自分のお金で製本してお世話になった同僚に配布します。
結局35-40部ほど刷ったのだと思います。親友に進呈したりもしましたので。
これが、結構なお金がかかるんです。5万はかかったんじゃないかな?

これをもし、イギリス式でやろうとすると難しいでしょうね。
1部1万円くらい印刷にかかりそうだから、配布した時点で破産してしまいます。


なんとなく風潮としてですが、出身ラボでは
「量の多いデータをシンプルにまとめて博士論文にする。」
という美学が流れていました。
基本的に投稿論文が出ている人は、それを和訳して、
あるいは切り貼りして形式を合わせていました。

製本された博士論文は国会図書館に保存されています。
イギリス式の博士論文だったら、国会図書館パンクしちゃいますね。
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# by brummie | 2008-02-20 03:05 | 研究者教育

トラックバック頂きました。

複数のPIで一人の学生を育てる

前ラボの隣のラボの後輩で、人気ブログの著者であるktatchyさんから
トラックバックを頂きました。
そういえば、「たっちー」って言い出したのってbrummieじゃなかったっけ?


本件に関してまじめにレスポンスすると、
目的は「博士の品質を一定に保つため」が大きいような気がしています。
どこのラボでもそうかもしれませんが、博士という学位を取った研究者の中では
非常にassertiveで独立して研究ができる人もいれば
何もできない人もいると思います。

どのような「博士」でも、一歩学校の外に出ると「博士」と呼ばれるわけですが、
その「博士」が意味のある学位であるためには、その質を保たなければいけないし
享受する教育の質もある程度研究室に寄らず一定になるべきです。
(同じ額の授業料を払っているわけですから)
そういう意味で、一定期間のギャップをおいてレポートを書かせて
評価するということは、非常に有効的だと思います。

それは「過保護ではないか」とおっしゃられる方もいますが、
放っておいて育つのが研究者であるならば、
その意味で研究者になれなかった人には厳しく学位を取らせないように
するべきだと思います。「博士」の質を保つ意味でも。
(都合上、自分のことは棚に上げます)


大学院に入ってまで能動的に教育を与えるべきか?という議論に関しては
絶対にYESであると思います。

イギリスでの大学院の授業は「PCRのワークショップ」や
「シークエンスの原理」などテクニカルな授業から、
「プレゼンテーションスキルの上達の方法」や「タイムマネージング」など
日本では誰も教えてくれず経験論に頼るものまで多彩です。
(プレゼンテーションの講義ではどこでブレスをするかについて
まじめに講義していました)

それが機能しているかどうかは感じとして微妙ですが、
brummieが所属した研究科の授業は、それぞれの教授の専門分野を
かみ砕いて講義するだけだったと思います。

授業が必要ではないのではなくて、どのような授業をするかが
重要なのではないでしょうか。
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# by brummie | 2008-02-18 08:05 | 研究者教育

大学院生の教育について。

こっちに来て、一番すごいなと思ったのが大学院生の教育です。
大学院生は3ヶ月から半年ごとに必ずレポートを書かなければいけません。

そのレポートは論文の形に準じており、
学術論文やdissertationを書く練習になります。
また、書かれたレポートは、自分のsupervisorともう一人のPIによって吟味され
次の実験の方向付けの一因となります。

僕は博士論文を実質1週間ちょっとで仕上げました。
他の生命科学系の博士もそういった人が多いと思います。
しかし、イギリスではこういった定期的なレポートに加え、
莫大な枚数のdissertationを出さないと博士にはなれません。
(多い枚数ですが、そのほとんどは論文として要らないことも
多いことを加えておきます。)

なにはともあれ、博士論文あるいは学術論文にいたるまで何段階かのステップを
経ていることは、イギリスの大学院生育成の利点として
挙げることができると思います。
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# by brummie | 2008-02-17 06:11 | 研究者教育



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